■ビタミンの役割
ビタミンは赤ちゃんの発育のため、また母体の体調を整えるために欠かせない栄養素です。妊娠・授乳期を通じて各ビタミンを普段より多くとることが必要です。ただしビタミンAとビタミンDの過剰摂取は赤ちゃんに悪い影響を与えることがまれにあるので錠剤などでの取りすぎには注意が必要です。
■ビタミンA
ビタミンAは呼吸器・消化器の抵抗力をつけ、皮膚や粘膜を丈夫に保ちます。妊娠中にビタミンAが不足すると、赤ちゃんの発育が悪くなったり、流産しやすくなる場合があります。
ビタミンAを多く含む食材は、レバー・うなぎ・乳製品・卵黄・かぼちゃ・人参・トマトなどがあります。
■ビタミンB1
ビタミンB1はたんぱく質の代謝を助け、糖質がエネルギーに替わるときに必要な栄養素です。妊娠中にビタミンB1が不足すると早産や死産の原因ともなります。
ビタミンB1を多く含む食品は、豆類・サツマイモ・豚肉・落花生などがあります。
■ビタミンB2・B6
妊娠中にビタミンB2・B6が不足すると妊娠中毒症の原因となります。
ビタミンB2を多く含む食品は、レバー・牛乳・卵・納豆などです。ビタミンB6を多く含む食品は、肉・魚介類・大豆・小豆などです。
■ビタミンC
ビタミンCは妊娠に必要なホルモンを分泌させる働きがあります。妊娠中にビタミンCが不足すると、つわりが激しくなったり、妊娠中毒症をおこす原因となります。
ビタミンCを多く含む食品は、ほうれん草・芽キャベツ・小松菜・ブロッコリー・トマトなどがあります。
■ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。
ビタミンDを多く含む食品は、レバー・卵黄・さば・いわしなどです。
■その他のビタミン
ビタミンEが妊娠中に不足すると、早産や流産の原因になります。ビタミンEを多く含む食品は、ナッツ類・卵・小松菜などです。
ビタミンKは、出産時の出血をおさえる役割があります。ビタミンKを多く含む食品は、キャベツ・ほうれん草・トマト・納豆などです。
■ミネラルの役割
ミネラルにはカルシウム、鉄、カリウム、マグネシウム、リン、ナトリウム、ヨード、銅などがあります。カリウムには塩分過多による肥満を防いだり体内をアルカリ性に保つ効果があり、アボカド・ジャガイモ・バナナに多く含まれます。銅は造血作用をうながし、アサリなどの貝類や大豆に含まれています。